オオカミ系幼なじみと同居中。
真っ黒な髪は
今日も完璧にセットされていて。
その前髪から覗く
まるで子犬のようなまあるい瞳。
睫毛、長いな……
唇なんか、なんて綺麗なんだろう。
どんどん体の体温が上昇していくのがわかる。
唇は震え、瞬きをしてしまえば涙が今にも零れそうだ。
そんなあたしなんかお構いなしで、要はただじっとあたしをとらえて離さなかった。
そして、真剣な表情をふっと緩めると、要はいつものようににんまりと笑うと、こう言った。
「今度は、未央んちで俺を居候させて☆」
「……」
「英語 教えてやるから」
「…………」
「毎日 キスしてやるし?」
「…………」
「その先だって 俺が手取り足取り教えてやるよ」
そして、チュッと唇にやわらかな感触。
要は満足そうな笑顔を見せると、あたしを抱いていた腕を解いて背もたれに身を投げ出した。
「アメリカ……やべぇ超楽しみ」
「……」
「アメリカンドリーム。 だな」
「……はあぁぁあ!!?」
ちょっと待ってよぉ!?
な、な、な……なに言ってんのおぉぉお!!?
まるで子供のように顔をくしゃくしゃにして笑う要。
そして、
開いた口が塞がらないあたし。