オオカミ系幼なじみと同居中。


その時―――




ガチャン




玄関の方から音がして、あたしは思わず駆け出していた。



バン!




「……要くんっ!」


「…………」



リビングから出ると玄関にいた要と目が合う。

すごい勢いで飛び出してきたあたしに驚いたその瞳は、何度も瞬きを繰り返していた。
そして眉間にシワをグッとよせて、なにやらぶつぶつ言っている。


「起きてた……」


って……あたしのバカ。
慌ててきたのはいいものの。

なんとなく、自分の行動がおかしい事に気づいて、あたしは俯いた。


うう……。
あたしきっと顔……真っ赤だ。

要はあたしの顔を見つめなおすと「慌ててどうしたんだよ?」と首をひねった。


そりゃそうだよね……。


「え、えと。遅かったんだね」


「……ああ。助っ人。頼まれてたから」


「……助っ人?」



「なにそれ」と首をかしげながら顔を上げたあたしを見て要は一瞬、ジロリと目を細めた。




え……えぇ?







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