オオカミ系幼なじみと同居中。
靴を脱ぎながら要は視線を落として続けた。
「俺、特定の部活には入ってないんだよね。だから、時々こうして頼まれたとこに顔出してるんだ。……で、今日はバスケ。」
「……そうなんだ」
今……なんか、さらっとすごい事言ったよね?
って事は、要は何でも出来ちゃうわけなんだ。
スポーツ全般得意なんだね。
体育。
特に球技が苦手だからうらやましい……。
「あちぃ」
そう言いながらあたしの横を通り過ぎようとした要は、少し不機嫌に見えた。
や、やっぱり昼間の事怒ってるのかな?
あんな失礼なこと言ったから。
どうしよ、謝らなくちゃ。
「ごめん」って。
「あ、あの!」
思わず、要の背中に向かってそう声をかけた。
要は「んー?」と振り返らず答えた。
――……ドキ
「あ……えと、パスタ作ったんだけど、食べない?」
わーん。
あたしの意気地なし!
なんでひと言言えないのよっ。
バカバカ!
「……」
要はピクンと立ち止まって、それからゆっくりと視線をこちらに向けた。