オオカミ系幼なじみと同居中。


――ガチャ




リビングに入ってきた要。



「あれ? なんだ、帰ってたんだ」

「……帰ってちゃまずい?」


って……うわーん。
あたし、なんでこんなに可愛くないの?


「……」


要はそんなあたしをチラリと見て、冷蔵庫を開けてペットボトルのままお茶を飲んだ。



「あの……さっきの人は彼女……なの?」



お茶を飲む要をジッと見つめる。



「んー? 違うよ。ただの友達」



“ただ”の?
ただの友達でも、簡単に『好き』なんて言うんだ。

わかんない……。
確かに、早苗たちには『好き』って言うけど……。
それと同じなの?


要はキュッとふたを閉めるとペットボトルを冷蔵庫にしまった。



「へぇ……そう、なんだ」



もごもごと口の中で言って、ぼんやりとその背中を眺めていると、ふと要が振り返った。



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