オオカミ系幼なじみと同居中。
「桜井さ……俺の事避けてる?」
静かに言った旬はまだ川の流れを見たままだ。
「な、なんで? 避けてなんか……」
「じゃあ、どうして俺の目を見て話さない?」
旬はまっすぐにあたしを見た。
その瞳に吸い込まれそうにりながら、あたしはギリギリのところでそこから逃れた。
「アイツ……3組の相田が、桜井を訪ねて来た時から様子がおかしいと思ってたんだ」
「え?」
胸がドキリとなった。
旬の口から、要の名前が出てくるなんて思わなかった。
「そ、そんな人……あたしには関係ないよ! うん。 関係……ない」
まるで自分にいい聞かせる様に言う。
でも、どうして?
そう言ってるそばから、あたし泣きそう。
鼻がツンとして、あたしはキュッと唇を結んだ。
「………関係ない、か」
その言葉にあたしは顔を上げた。
笑ってるけど……。
旬は何かを知ってるのかもしれない。
「前にもそう言ってたよね? アイツと……なにかあったの?」