オオカミ系幼なじみと同居中。




旬とはあれからも普通に話をしている。

といってもきっとそれは旬が気を使ってくれて普通に話をしてくれているだけなのかもしれない。



要の家に居候するようになって、もうすぐ1ヶ月がたとうとしてる。
まだ、早苗以外この事を知ってる人はいない。

要も誰にも言ってないみたいだし、学校では相変わらず他人のふり。


要といえば、毎日のようにいろんな部活から声がかかって朝も夜もほとんど顔を合わさない。


ま、それで全然構わないんだけど。


だけど……なんだか喉のあたりがモヤモヤするのはどうしてかな?






「未央、最近どうなのぉ?」


マナが目をキラキラさせてあたしの顔を見る。


「どうってなにが?」


朝、自分で作ったお弁当のおかずを口に運びながら聞く。


「なにがって、わかってるくせにぃ」

「?」

「藤森旬の事!」

「ぶはッ」


口に入れた卵焼きが、変なトコロで詰まってしまった。
急いでピーチティでそれを押し流す。

「な、何?急に……」

一息ついてマナを見る。
そんなあたしの様子を早苗や結衣は面白そうに見ている。

でたな、マナの噂好き。


今度は何を言い出すんだ?



「噂になってるよぉ、二人が付き合ってんじゃないかって」

「ええええ!?」



あたしは思いもよらない言葉に驚いて思わず大きな声を出してしまった。
クラスが注目する。
うう、その視線がイタイ。
あたしは大袈裟に両手を顔の前で振ってみせる。


「んな訳ないじゃん。確かに旬は最近よく一緒にいるけど」


告白はされた。
でもあれから何もなかったかのようにお互い接している。
旬を見ると、こちらの話が気になるみたいで、視線がぶつかる。



あわわわ



見ないでよ~~っ





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