オオカミ系幼なじみと同居中。
まだ、早苗にしか旬に告白された事は言っていない。
「藤森とは何もなし、か」
マナはまるで刑事ドラマのようなセリフを吐くと苺ミルクを飲みながら旬を見た。
あたしはふぅとため息をついた。
マナは意外と洞察力に優れている。
旬が好きな事も初めにばれたのはマナだった。
「じゃあさー……」
机に、飲み干した殻のパックを置くと足を組んであたしを見た。
「相田 要は?」
「へ?」
要の名前が出てきて思わず変な返事を返す。
「ええ? 未央って、藤森くんが好きなんだよね?」
結衣が身を乗り出してくる。
「あ、あ、相田?」
あたしの声はうわずってしまった。
ううう……フォークを持っている手に力が入る。
さすが、マナ!
……じゃなくて。
要との事を今まで隠してこれたのが奇跡なくらい。
「な、なんで、相田くんなの?」
あくまであたしは他人のふり。
動揺してるのを隠すようにウインナーを一気に口へ運ぶ。
「知ってんだからねぇ、未央が最近相田要を目で追ってんの」
「ぶはッッ」
今度こそ、あたしの口に放り込んだウインナーが勢い余って飛び出てきた。
「あはは。未央~動揺しすぎ~。わかりやすいんだから」
目で追ってるって!?
あたしが?
なるべく学校では要を見ないように努力してるつもり。
なのに、マナにはわかっちゃうの!?
「そうなんだぁ。前まで藤森君と話すの超緊張してた未央が普通に話してるからおかしいなとは思ってたんだけど。そうなんだぁ」
うんうん。と納得する結衣。
待ってっ
違うってば!
「確かに、藤森の話しなくなったもんね」
早苗まで腕を組んでそんな事を言い出した。
ドンッ!
「だからぁ、絶対絶対そんな事ないんだってばっ!」