オオカミ系幼なじみと同居中。

唇に、要の手が触れた。


ただ、それだけなのに……。



「笑いすぎだっつの」

「……」



ドクン ドクン ドクン


あまりにも大きな心臓の音に自分でも驚いて思わず涙目になる。


や、やだ……。

要に聞こえちゃう!


あたしの口を塞いだまま、じっとあたしの瞳を見つめる要。



―――そして、そっと手を離した。




び、びっくりしたぁ。


キス、されちゃうかと思った。



あたしは身動きが取れなくて、要を見つめた視線も逸らすことが出来なくてただ固まりっぱなし。


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