黒姫
閑話休題1
自分のせいじゃない。
こうやって現実逃避するのは慣れている。
「ねえ、真奈……」
「大丈夫大丈夫」
昼休みが終わってすぐの授業中、黒瀬以外の女子に、今日の放課後に体育館倉庫で、黒瀬に痛い目見させよう、という内容が書かれた紙切れが回された。
黒瀬瑞姫。
人を滅多に嫌わない私の親友が、私が知る限り唯一嫌う人物。
私は別に、好きでも嫌いでもないけれど、どちらかと問われれば嫌い、と答えるような、そんな他人に嫌われやすい奴だと思う。