黒姫

そんなことを言うのは那央だけだ。


「……瑞姫にすら解りにくい、って言われるんだけど」
「人生経験の差かな」
「言うほどでも無いよな、3年だし」
「ははは」



軽く笑った那央の手が、透の頭に乗る。
無表情のまま払いのけた透に、那央の笑顔が苦笑に変わった。


「3年って意外と大きいんだよ」
「…………」
「だから、俺にとっては透もまだまだ子供だよ」

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