黒姫

その言葉に嫌な予感と寒気が走った。

しかし既に手遅れで、男子を含めた数人がかりで強引に、積もった雪の上に突き飛ばされる。
手から離れた鞄も、瑞姫から距離のある場所に転がされた。


「……っ!!」


慌てて立ち上がろうとするも、そんなことが許されるはずもなく。


「おい、誰かこいつ抑えとけ!」


そんな声が聞こえた次の瞬間には、既に身体が雪の上で押さえ付けられていた。

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