黒姫

声を出そうと必死になっても呻いたような声しか出ない。

恐らく閉店時間を過ぎたであろうスーパーの駐車場なんて、誰も気に止めないし、男達は入念に死角になりやすい場所を選んでいたのだろう。


声を出せず、身体も動かず、ただ着ていた長袖Tシャツが何の躊躇いもなく剥がされていくのを、脅えた目で見ることしかできなかった。
露出した肌寒さを感じるより、触れてくる手が気持ち悪かった。

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