黒姫

「3日分のノート。……期末もうすぐだし、なきゃ困るだろ。俺のより同じクラスの奴の方がいいかと思ったから」
「あー……ありがとう?」
「何で疑問形なんだよ」
「せっかく学校休んでるんだから、出来ればあんま見たくなかったかも」


成績は悪かないが、勉強は好きじゃない。
正直、透がいなかったら瑞姫の成績は一気に落ちるだろう。
サボりは大好きだ。

こつん、と瑞姫の頭を軽く小突いて透はさらりと話を軌道修正した。


「取り敢えず誰が2組かわかんなかったから、前言ってたこと思い出して加藤に頼んだ」


前……薫の転校してきたその日の会話のことだ。
薫も驚いただろう。
一方的に知っているだけだと思っていた相手に突然声を掛けられて。

< 186 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop