黒姫

「ぷっ……あははははっ!」
「な、なんだよ!」
「らしくないよ? 透」
「……悪いかよ」


拗ねたようにそっぽ向いた透の頬が微かに赤くなっているのがまた可笑しく、瑞姫はころころと笑い続けた。
が、流石に笑いすぎたらしく透に拳で頭をぐりぐりと攻撃されたので、慌てて掛け布団に潜り込む。


「笑いすぎだ」
「ごめんごめん……って待って痛い! 腕捻るな痛い痛いごめんってばー!」


普段からそれなりに地味な攻撃を受けているが、今のはかなり痛かった。
それだけ透自身が『らしくない』ことを自覚していたのだろう。

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