黒姫
ひとしきり笑ってついでに悲鳴を上げて、瑞姫は漸く平常心に戻った。
掛け布団を足元に畳み、下から透の顔を覗き込む。
「で? らしくなくなる程、私と会うのが怖かった?」
聞かずにはいられなかった。
……私そんなに信用ない? なんて。
那央を振り払った前例からじゃ口が裂けても言えないけれど。
「……怖かった。すっげぇ怖かった。今までに無いくらい怖かった。ていうか多分、この先これ以上怖いことない」
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