黒姫
第13章
瑞姫が学校を休んで一週間が経った。
明日から、瑞姫は登校することになる。
特に気負うこともなく淡々と教科書等の準備をしていた瑞姫の部屋に、どういう訳か“家族”全員がひとりずつ顔を出した。
「瑞姫。無理しないで」
「何かあったら今度こそすぐ相談に来いよ」
「お姉ちゃーん、アイス食べなぁい?」
上から里沙、那央、香奈の順で、どうせ皆来るなら夕飯時に言えば良いのに、などと思った。
とは言っても、上二人はともかく香奈は単純にアイスを勧めに来ただけだったようだが。
この時期にアイスは寒い、と香奈に断ると、「えぇー、美味しいのにぃ」と瑞姫の部屋でカップアイスを食べるだけ食べてさっさと部屋を出て行った。