黒姫
第1章
冬休みの明けた学校は、いつもの数倍も賑やかなものだ。
黒瀬瑞姫(くろせ みずき)は1番前の真ん中という、最悪の席で頬杖をついた。
どうせ、この後に控えたホームルームだって、騒がしくて中々終わらないに違いない。
面倒臭い……と、周りの雰囲気に溜め息をついてみる。
ほとんどの生徒が立ち歩き、久々に会った友達と話している中、授業中でも何でもないのにひとり着席する瑞姫は……何と言うか、明らかに浮いていた。
しかし、瑞姫は気にも止めない。
クラスに馴染めないのは当たり前。彼女自身にも馴染む気はさらさらない。
それが、どんな結果を招こうとも。