黒姫
私は黒瀬が嫌いだ。
それはきっと、鈴羅が黒瀬のことを嫌っているから。
嫌っていながら、私のことより黒瀬のことをきにしているから。
少し出会ったのが遅かっただけなのに。
黒瀬は友達でもなんでもなくて、私は友達なのに。
私の方がよっぽど、鈴羅の側にいるのに。
――黒瀬はずるい。
そう思っていたから、多分私は止めなかったのだ。
ざまあみろって笑う私が、きっと何処かにいた。
……醜くて嫌になっちゃうね。