黒姫
いつもと何ら変わりないやり取りに、心が緩む。
やっぱり、学校は好きではない。
ずっと緊張したままの心でいるのは辛すぎるから。
瑞姫が安心して息が出来るのは、ここだけだ。
瑞姫が心から笑えるのは、“家族”と居るときだけだ。
『信じて……平気?』
問うた過去の自分に、今ならはっきりと答えられる。
(大丈夫)
『なら、今日から俺が“家族”になってやる』
(信じた私は、間違っていなかった)
ここが私の居場所。
他の場所なんて……きっと、いらない。