黒姫

(見事なまでに嫌われたもんだ)


自分の机の中にカッターナイフの刃が仕込まれているのを発見し、怒りよりも呆れから来る笑いが先行した。

これは所謂いじめの前兆というやつだろうか。


カッターナイフの刃はとりあえず放置することにして、瑞姫はいつも通りに、頬杖をついた。
痛いほどの視線は無視するに限る。


結局、瑞姫があまりに無反応なせいで、ホームルームが終わるまでは何事もなく時は通り過ぎた。

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