黒姫

「意地張ってるのか何なのかは知らないけど。飯島さんも西田さんも、助けを求められて無視するほど冷たくないよ」
「……少なくとも飯島には嫌われてるんだけど」


放っておいたら永遠と話し続けそうに思え、取り敢えずは言葉を発する。
もちろん、助けを求める気は毛頭ない。

それよりも、加藤薫という人物が、こんなにも饒舌かつお節介であったのかと、そんなことに意識が向く。
少なくとも瑞姫の目には、もう少し大人しい人間に映っていた。

< 77 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop