メモリー☆レター
~第1章~
☆エピソード1
「ん…」
ズキッ
頭が痛い。
でも起きなければならないと
体を起こした。
「ここ…どこ…?」
辺りを見渡すと、見覚えのない場所で
見覚えのない男の子がいた。
男の子は悲しそうにこちらを見つめていた。
誰……?
首をかしげると
男の子はほんの小さく笑って言った。
『俺は佑。君は…栞…さんだよね』
言葉が詰まった。
栞…、なぜか自分がその名であることに自信が持てなかった。
「えぇ、まぁ…」
とりあえずあいずちをうち、自分は栞だ…と認識させた。
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