メモリー☆レター
記憶がない…
そんなの知らない異国に投げ出されるのと同じよ…
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「……んー…」
かなり寝た気がする。
快眠ではなかったが、少しスッキリした。
横を見るとあの男の子が眠っていた。
この感じだと倒れた私をベッドに運んでから
ずっとそばにいてくれたんだろう。
よくみると凄く美少年だった。
かっこいいとか、イケメンとか、そういうのじゃなくて…
凄く【綺麗】という言葉の似合う顔立ち。
もちろんイケメンはイケメンだけど。
ピクッ
あ、起こしちゃった…?
『……栞…』
彼が呟いた。
え…? 栞…?
栞は私の名前だと聞いた。
実際記憶はないのだけど…。
でも…私の名前をどうして…?
しかも私は栞さんと呼ばれていたはずなのに…
あなたはいったい誰…?