メモリー☆レター



『あ…寝ちゃってたか』


「あの…」


『おはよう』


ニッコリと微笑んだ彼の顔はずっと前から

知っている優しさのように思えた。


君は大丈夫…。そう目から伝えられている気がする。


不思議な感情…。


彼が立ち上がったので


「あ…」


と言ってしまった。


『ん?どした?』


「あ…あのあなたの事なんて呼べば…いいですか?」


すると私の唇に指をたて


『敬語厳禁』


ニコッ


と、また笑った。


唇…びっくりした…。


『俺の事はー…佑でいいよ』


「え?呼び捨て…?」


『うん』


「じゃぁ私のことも栞って…」


そう言った直後、佑の顔が少し赤らんだ。


ん…?


『え…し…栞…?』


「そう、栞…」


自分で言いながらふと気がついた。


私は栞だ。


いつか栞と呼ばれた日があったのか

呼ばれたとき思い出した。


自分が栞であると自信を持てた。


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