メモリー☆レター
☆エピソード3
『とにかく、また中に入ってよ』
「うん…」
さっき泣いていたのはなんで?
そう聞きたいのに言葉が出ない。
聞いてはいけないような気がしたからと思う。
あれから佑は私が記憶喪失した原因を簡単に説明してくれた。
私は佑の家付近の道で、事故にあったらしい。
それを助けたのが佑だという。
幸いケガは簡単な処置で済んだのだが、私は意識がもうろうとしていたらしい。
そこで佑は自分の家に連れていき、私を休ませていた、という訳らしい。
「そうだったんだ…ありがとう」
佑は黙って首を振った。
『いや、俺は何も…。栞に勘違いさせちゃったし』
あ…『帰っちゃいけない』って言ってたことかな…。
あれは多分…私の事心配して言ってくれたんだよね…。