マフラーと君の手と。

だから純はマフラーのこれを知らない。
今こうして付けていられるのも、

純が知らないから。


別に未練があるわけじゃない。


だけど、どうしても手放せない。
着けてるだけで純が近くにいる気がするから。


付き合ってたときの素直な気持ちが
明日の生きる糧になるから。

毎年、押入れから出してしまう。
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