マフラーと君の手と。
5
「…それってさ…。」
「でもお互い好きの意味が違うね。」
「…だよな。」
「今年は一緒に年越せないけど
玲奈ちゃんと楽しんでね。」
「お前は…?」
「あたしは家族と過ごすから。
今年はあたしがいないほうが
瞳と拓哉くんと梨乃と康平くんに
気、使わせないし。」
「…。」
「だから良い年明けを過ごしてね。」
「…。」
「じゃ!!!!!!」
純がしゃべんない空気に耐え切れなくなったあたしは
先に歩き出した。