流れ星☆彡
「絢華、受験勉強ははかどってる?」



首を横に振りながら、ボソボソと口を開く。



「全然ダメ。……同じ高校へ行くのは、無理かもしれない」


「……」


「……行かないほうがいい?」


「は?」



最近の優太の態度から見て、同じ高校へは行かない方がいいかもと思ったりした。


でも、その言葉で、優太の眉間に皺が寄った。


まだ、あたしのことを好きでいてくれてるのかな。



「……ううん、何でもない。もう少し頑張るね」




コンコンッ…



「絢華、入るよ」



そう言っておばあちゃんが、いつものようにお茶とお菓子をお盆に乗せて入ってきた。



「優太くん、久しぶりだけどバスケ大変なの?」


「はい。凄くハードです」


「そう、あまり無理しないようにね」


「はい」



おばあちゃんには凄くやさしい表情を見せているように見えたのは、気のせい?


パタンとドアが閉まって、おばあちゃんが部屋を出ていってからは、沈黙が重くて……


やっぱり、優太は別れを考えているのかもしれないって、凄く胸が痛くなった。



「そろそろ行くよ」


「えっ、もう?」


「ん、ごめんな。これからまた練習なんだ」



そう言われると、何も言えなくなる。



「練習、頑張ってね」


「ん、絢華も勉強頑張れよ」


「うん」






優太がいなくなった部屋は、色を失ったかのように暗くなって、寂しくて仕方なかった。
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