流れ星☆彡
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気が付けばもうすぐ夏休み。


優太は相変わらず部活が忙しいし、あたしはバイトがあるしで、会える時間は少なかった。


でも、これまでのように、朝の登校と晴れていれば昼は一緒に食べた。


それから、夜のバイト帰りには必ず迎えに来てくれたし、それだけでも心は満たされた。



「絢華、週末の夏祭り一緒に行かねぇ?」


「行く!」


「はは、即答」



あ、また笑われた。


でも、即答するよ。


優太は、土日はいつも部活だし、体も疲れているだろうと思って、バスケデートか、家でまったりが多いんだもん。


……デートらしいデートってないんだ。


だから……


夏祭りデートが凄く楽しみだった。






そして夏祭り当日、夕方五時半に優太が迎えに来た。



「わっ、絢華やべぇ」



あたしの姿を見るなり、優太は頬を赤くしながら、手の甲を口元に当てて言った。



「マジで可愛い」



夏祭りといえば“浴衣”でしょ。


ちょっと大人っぽすぎるかなって思ったけれど、黒地に小さな花が散りばめられた柄の浴衣を着た。


これはお母さんの形見らしい。
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