流れ星☆彡
「ほんとに、……断ったの?」



優太は大きく息を吐いたあと……



「大学には行かねぇ。俺、就職希望だから」


「何で?優太、前に言ってたじゃん。“プロのバスケ選手になりてぇ”って。推薦を受けたら、その夢に一歩近付けるんでしょ?」


「絢華、……誰に聞いたんだよ?」


「……今朝、太一さんが、教室に来たの」


「やっぱアイツか……、余計なことを……」



優太は溜め息混じりにそう言ったけれど……



「違うよっ!太一さんは、優太のことを考えてくれているから、こうやってあたしに話をしに来たんでしょ?」


「……夢とか、二の次なんだよ」


「優太?」


「普通に考えてさ、俺には親がいねぇ。どうやって大学通える?大学通ってバスケしながら、自分一人で学費と生活費は稼げねぇよ。それに将来のことを思うと、夢ばかりを追うなんてできねぇ」



優太が言ってることもわかる。


でも、やっぱり優太がどれだけバスケを好きかわかっているから、ほんとにそれでいいのかと思ってしまう。



「優太は、後悔しないの?夢を諦めて、後で“やっぱり推薦を受けておけばよかった”って、思ったりしないの?」


「思わねぇよ。よく考えてだした結論が、就職するってことだったんだから」


「そっか」



優太が自分でいいと決めてだした結論なら、あたしには口を出す権利はない。


優太には大好きなバスケを続けて、夢を叶えてほしいって思うけれど、優太が決めたことだもんね。


だったら、きっとそれが一番なんだ。
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