流れ星☆彡
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「絢華、元気ねぇなぁ」


「そうなんですよ、せっかくの誕生日なのに……なんか、へこんでるみたいですよ?」



昼、今日も三人でお弁当を広げた。



「何をへこんでんだよ?」


「……」


「ハードルを上げたから、優太さんが困ってるかもって言ってましたよ?」



なかなか口を開かないあたしの代わりに、紗羽が今朝あたしがこぼした本音をそのまま優太に伝えた。



「ハードル?何の話?」


「……優太、ごめんね。あたし、この間凄く意地悪なことを言っちゃった」


「意地悪なこと?……言ったっけ?」



優太は思い出そうとしているのか、考える仕草をとった。



「“凄いの期待しとくから”って。昨年は、ただ優太があたしを大切にしてくれてただけだったのに……いつまでも寂しさ引きずって、……今日も、ただ傍にいてくれるだけでいいからね?それだけで幸せだから」



だから……


面倒臭いって思わないで……


嫌いにならないで……


離れていかないで……


そう思うと、目尻から涙が一粒こぼれ落ちた。



「泣くなよ。そんなこと気にしてねぇよ。昨年は言葉足らずだった俺が悪かったんだし、絢華が寂しさ引きずっても仕方ねぇよ」



そう言って、あたしの肩に腕を回して、優太の胸に引き寄せられた。
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