流れ星☆彡
大きく揺れ始めたら、握る手にさらに力が入って、「うわぁー」とか「やめろー」とか言うから、あたしは海賊船よりも優太を楽しめた。



「ふふ」


「笑うなって」


「なんか安心した」


「は?」


「優太って何でも完璧だから、こんなふうにちょっぴりダメなとこを見ると、凄くカワイイ」


「カ、カワイイ!?なんか、複雑」



優太は眉をハの字に曲げながら、肩を落としているけれど……



「何で?もっともっと優太のことが好きになったってことだよ?」


「……」


「次は何乗る?」


「絢華」


「ん?」



優太を見上げると“チュッ”と触れた唇。



「ちょっ、優太!?」



慌てて口を手で覆う。


でも優太は、そのままあたしの手を握って、前を向いて歩き始めた。


今のキスは何?


優太は何もなかったように歩いているけれど……


キス、したよね?


優太の横顔を見つめると、頬がほんのり赤くて……


優太も照れてるんだって思ったら、自然と笑みがこぼれた。


それより……


今は、どこに向かっているんだろう。
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