流れ星☆彡
何も言えなくなってしまったあたしの代わりに、紗羽が太一さんに話してくれている。



「……何で?」



そんなあたしを不思議そうに見ながら、そう呟いた。



「昨年の出来事がトラウマになってるみたいで」


「昨年?……あー、なるほどね。そっか、俺がアイツにキツく言っとくよ」



太一さんはあの場面を見てるんだもんね。


しかも、優太は太一さんに、説教をされたって言っていたし。



あの時のことは……


思い出すと、今でも胸が痛くなって、涙が出てくる。



「ほら絢華、泣かないよ?」



知らぬ間に涙が出ちゃって……



「じゃあ太一さん、お願いします」


「ん、わかったよ」



こんなんじゃダメだな。


優太に嫌われちゃうよ。






次の休み時間。


移動教室から教室へ戻ってくると……



「絢華」


「えっ」



優太が目の前にいた。



「ちょっといいか?」


「うん」



きっと、太一さんから聞いたんだよね。


こんなウジウジしたあたしのことを、ウザいとか思われていたらどうしよう……と不安になる。


どきどきしながら優太についていった。


こんなに不安でどきどきしたのは、ほんとに久しぶり。


屋上に続く階段の踊り場で立ち止まった優太。


こっちを振り返ったけれど、怖くて顔を上げられない。
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