流れ星☆彡
告白される場面を見ても、いつもそのことには触れることができない。


“またコクられたの?”って、軽いノリで聞けばいいんだろうけど。



靴を替えてから、いつものように手を繋いで歩き始めた。


なんか、沈黙……


やっぱり機嫌が悪い。



「優太」


「ん?」


「学園祭ね、二日間とも午前が当番になったし、午後から一緒に回りたいんだけど……優太はあいてる?」


「俺の時間はすべて絢華のためにあけてある」



ドキンッ……



優太の言葉には、いつもどきどきさせられる。



「それより、あんまり男と二人きりになるな」


「……」



そう言うけれど……


優太はいいの?


さっき女の子と二人でいたじゃん。



「絢華?」


「……わかった」



嫌われたくなくて、いい子でいるしかない。


胸の中がモヤモヤする。


わかってる。


ちゃんと話せばいいってことくらい。


でも……


長く付き合えば付き合うほど……


年月が経てば経つほど……


口には出せなくなる。


中学生の時は、ただ子供でいられた。


何も言えない時期はあったけれど、それでもあの頃は自分の素直な気持ちに、真っ直ぐでいられた。


でも今は……


高校生にもなって、こんな子供じみたことが言えないとか、こんなみっともないことは言えないとか……


そんな小さなことに左右されている自分がいる。


もっと……


素直になりたい。
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