流れ星☆彡
優太のネクタイを思いっきり引っ張って、強引にキスした女の子。


許せないし、胸が痛いし、悲しいけれど……


優太はそんなことを望んでいなかったって……


信じたいから……


言う必要ない。








「もうわかんない?」



涙の跡を消したつもりだけど、一応確認してみる。



「ん、大丈夫だと思う。つか、泣いたまま行けば良かったのに」


「まだ言ってんの?もういいんだって」


「そうか?」


「うん」



なんか、葉山くんの存在に凄く救われた。


もしあのまま一人だったら、あたしはきっとまだ泣いてる。



そのまま二人で準備室を出ると、目の前には優太がいて……


一人で出れば良かったとちょっぴり後悔した。



「じゃあ、俺行くな?」


「うん、ありがとね」


「ん」



そう言って去っていく葉山くんの背中を見ていると、やっぱり不機嫌な優太の声が飛んできた。



「何してたんだよ。遅くねぇ?」


「ごめんね、どこに行く?」



そう言って優太の手を握るけれど、優太は無言で……


ついこの間『男と二人きりになるな』と言われたばかりなのに、普通に二人きりになっていたあたしのことを、怒っているんだろうなって思った。
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