流れ星☆彡
「俺だったら、その場で責めるんですけど……須藤は我慢するタイプなんですね」


「何の話だよ?」


「あんたと付き合っていたら、他の女とのキスの一つや二つは当たり前らしいですよ」


「は?」


「ちょっ、葉山くん!」



余計なことを言わないでよ!


そんなあたしの思いを無視するように、葉山くんは続ける。



「須藤に『男と二人になるな』って言う前に、自分も女と二人きりは避けた方がいいんじゃないですか?」


「……」


「葉山くん、もういいから」



泣きそうなのを堪えて、声を絞りだして言った。



「そ?じゃあ俺、これから当番だし行くよ」



葉山くんは、爆弾を落として去っていった。


優太はあたしの手を握って、無言のまま歩き始めた。


着いた場所は旧校舎の屋上。



「違うからな」


「何が?」


「見たんだろ?」


「優太が、……キスしてるところ?」


「あんなのっ、キスじゃねぇ」


「……うん、わかってる」



向かい合っていた優太に、クルリと背中を見せて、フェンスへと近付く。



「優太に、……そんな気がないのをわかっていたから、……言わなかった」
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