流れ星☆彡
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そして、卒業式。


今日が一緒に登校できる、最後の日。


朝から涙が出そうだった。


外へ出るといつものように待っていた優太。



「絢華、おはよう」


「おはよう。……優太、卒業おめでとう」


「おぉ、サンキュー」



あたしの大好きな笑顔を見せながらそう言った優太を見ていたら……


いつも優太にされていることを、あたしもしたくなった。



「優太」


「ん?」



優太がこっちに振り向いた瞬間……


チュッとキスをした。


優太は目を見開いたあと、



「おまっ、それ、反則だろ」



と顔をそらしながら、呟いた。


そのまま自転車の後ろに乗って、優太の腰に回した腕にぎゅっと力を込める。


優太の背中に頭を預けていると、優太のぬくもりを感じて、涙が出てきた。


自転車から降りた時に



「何で泣いてんだよ」



と優太に突っ込まれた。


そして、親指でやさしく涙を拭ってくれた。


電車に乗っている時に、いつもなら腰に回る手にどきどきしっぱなしだけれど、今日はあたしも優太の腰に腕を回した。



「今日の絢華は甘えん坊だな」



おでこを優太の胸にくっつけながら、



「優太」



意味もなく名前を呼んだ。

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