流れ星☆彡
.



六月にもなれば、日がのぼるのも結構早くて、空気が気持ちいいなぁって思いながらアパートへ帰った。


鍵を開けて中に入ると……


うっ……


やっぱり、お酒臭い。


帰ってきてからも飲んだんだろうな。


昨夜は、この間優太が言っていた、バスケ部の集まりがあったから、あたしはおばあちゃんのところに泊まった。


朝食を作ろうと早めに帰ってきたんだけど……


空気の入れ替えをしたい。


そーっとドアを開けて、カーテンは開けずに窓を開ける。


三人とも、空き缶やおつまみの袋が転がったリビングで、ゴロンと横になっていたから、タオルケットを出してきて掛けた。


キッチンに戻って、朝食の準備をしていると……



「絢華、おはよ」


「あ、おはよう、優太」


「帰ってきたの、全然気が付かなかった」


「ふふ、みんなグッスリだもんね」


「絢華」


「ん?」



優太を見上げると……


チュッと触れるだけのキス。



「なんか、お酒くさい。相当飲んだ?」


「はは、そうかも」


「このにおいだけでも酔っちゃいそう」


「絢華、弱ぇからな」



優太の前で何度も潰れてるからね。



「でも、さすがににおいとか、キスしただけじゃ酔わないよね?」


「じゃあ、……試してみる?」



そう言って、あたしの返事も聞かずに、


優太の綺麗な指で、顎を上に向けられ……


押しつけるようなキスをしてきた。



「…んッ…」



だんだん深くなるキス……


顎にあった優太の指は、いつのまにか後頭部に回っていて、反対の手で腰をグイッと引き寄せられた。
< 272 / 404 >

この作品をシェア

pagetop