流れ星☆彡
「……ギャア、オギャア……」



赤ちゃんの産声を聞いた時、涙がこぼれた。



「元気な男の子ですよ」



そう言って、看護師さんが赤ちゃんを綺麗に拭いてくれている間に、優太は



「絢華、頑張ったな。ありがとな」



そう言って、触れるだけのキスをした。



「ゆ、優太!?」



なぜ今キス!?


看護師さんは見て見ぬふりをしているし、恥ずかしくてたまらない。


ほんとに大胆なんだから。


赤ちゃんがあたしの胸の上に寝かされて、顔を見ると……



「ぷっ」



思わず吹き出してしまった。



「なんだよ?」



優太はそんなあたしを見て眉間に皺を寄せる。



「だって、……優太にそっくりなんだもん。笑えちゃうくらいにそっくり」


「あたりめぇだろ?俺の子なんだから」



そうぶっきらぼうに言うけれど、その表情は凄く嬉しそうで、あたしまで笑みがこぼれた。



「優太、名前決めなきゃね」


「そうだな」



名前はいくつか候補を上げてある。


その中から、顔を見てしっくりくるものにしようってことになって……



結局名前は『蒼太(ソウタ)』になった。


優太から一字とって付けた名前。


優太のように、強くて、優しくて、大切な人を守っていく……そんな男の子に育ってほしい。


なんか、“大切な人を守っていく”なんて……自分で言っててちょっと照れてしまったけれど……


優太にとって、大切な人って……


あたしなんだよね?
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