流れ星☆彡
「パパを描いたの?ママは?」


「マーマ?」



首を傾げたあと、ニコッと笑ってパパと思われる絵の横に、もう一つグルグルと丸を描いた。


描き終わったら、その紙をあたしに差しだしてきて



「ママ!」



と見せてくれた。



「わぁー、ありがとう、蒼太。凄く上手だね!」



蒼太の頭を撫でてから、ぎゅっと抱き締めた。



「ただいま」


「あっ、パパだ!」


「パパ」



あたしの声に蒼太も反応し、二人で玄関へ向かう。


優太の顔が見えたとたん、蒼太が



「パパー!」



と言って、走りだした。



「おかえりなさい」


「ん、ただいま」



優太はそう言って、蒼太を抱き上げたけれど、



「蒼太、“チュー”はママが先だからな、ちょっと待ってろよ」



そう言って、あたしにキスをした。


凄く、どきっとした。


そういえば、いつもあたしが先だ。


そんなこと、考えたこともなかった。


なんか、……嬉しい。


優太は蒼太の頬にもキスをすると、後ろに隠すようにしていたものを差しだしてきて……
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