流れ星☆彡
隼人さんにつかまれた腕に、少し力が入ったと思ったら、隼人さんはまたさっきと同じ方向へゆっくりと足を進めた。


隼人さんがドアを開けてくれた。


でも足が鉛のように重くなって、前へ進めない。


中には男の人が二人いて……


ゆっくりとあたしの前に来て……



「藤本優太さんのご家族の方ですか?」


「……はい」


「ご本人かどうか、確認していただけますか?」


「……」



何、これ……


これは夢?


まるでドラマの中にでもいるような……


悪い夢なんだよね……?


きっと、あれは優太じゃない。


ちゃんと違うってことを確認しなきゃ。


蒼太の手をぎゅっと握って、ゆっくりと足を進める。


男の人が、顔に掛けられている白い布を取った。



「…っ!………ぁ……ぃゃ…」



こんなにも一度に出ることがあるんだ……と思うくらいの大量の涙が、ぶわぁーっと溢れてきた。



「…ゆ……ぅた………いやあぁぁぁぁぁッ……」



気付いたら、目の前の優太にしがみついて、泣き喚いていた。
< 339 / 404 >

この作品をシェア

pagetop