流れ星☆彡
「何飲む?」


「何もいらない。……すぐに帰るから」



長居するつもりはない。


ていうか、長居なんてできない。



「……成績のこと?」



優太にとって、あたしの“大事な話”は成績の話なんだ。


確かに、大切なことだけれど……


今のあたしにとっては……



「違う」


「じゃあ、何?」


「……別れたい」


「は?」



ヤバい、……涙が出る。


ダメだよ、今日は泣かずに言いたいんだから。



「もう、優太とは付き合えない。……別れて」


「……」


「帰るね」



言いたいことは言えたから、すぐに帰るつもりだった。


でも……



「待てよ」



優太が引き留めてきた。


正直、予想外の言葉だった。


優太は、別れを望んでいると思っていたから。


その予想外の言葉に、ちょっぴり胸が高鳴るのを感じながらも、あたしの意思を伝える。



「……もう無理だよ」



早くこの部屋から出たかった。


慌てて立ち上がって、逃げるように玄関へ向かう。



「待てって言ってんだろ!」



優太は追い掛けてきて、そう言いながらあたしの腕をつかんだ。


その瞬間、涙がポロポロと溢れてきた。


やっぱり、我慢できなかった。


そのまま優太はあたしを抱き締めた。


何で?


いつもはこんなことをしてくれないのに。



「別れねぇから」



えっ……


これもまた、予想外の言葉だった。
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