流れ星☆彡
「絢華ちゃん?」


「え?」



まったく話を聞いていなかった。


うつむいていた顔をあげて店長を見る。



「“これでいいか”だって」



これ?


書類に目を通すと……


お金の、……話?



「……」


「絢華ちゃん?」


「……らない……」


「ん?なんて?」


「……そんなの、いらないから……っ……優太を、返してッ!」



気が付いたら、そう叫んでいた。


涙は止まることをしらないように、溢れ続ける。



「絢華ちゃん」



店長はあたしの肩を抱いて引き寄せた。



「…うぅ…」


「お返事は後日でもいいですか?」


「はい」



二人はそのまま帰っていった。


結局、相手の人の顔を一度も見ることができなかった。
< 354 / 404 >

この作品をシェア

pagetop