流れ星☆彡
あたしが出産して入院している間、夜は、佳菜子さんと店長と隼人さんが、蒼太のことを順番に預かってくれることになっていたから、店長に陣痛が来たことを知らせた。


病院へ着いて、一人で個室にいると……


蒼太を生んだときのことを思い出して、涙が溢れてきた。


あの時、会社を抜け出して、息を切らしながら病室に入ってきた優太。


分娩台に乗ってからは、ずっとあたしの左手を握って……



『絢華、大丈夫か?』


『絢華、頑張れ!』



と声をかけてくれた。


なのに……


どうして今は……


右手も左手も棒をつかんでいるの?


優太の手はどこ?



「オギャア…オギャア…」


「元気な女の子ですよ」



体を拭いた赤ちゃんがあたしの胸に寝かされる。



「……っ……ゆ…ぅた…」



あまりにそっくりだった。


どこからどう見ても……


優太にそっくり。



『絢華にそっくりな女の子を生めよ』



ごめんね、優太……


この子、優太にそっくりだよ。
< 358 / 404 >

この作品をシェア

pagetop