流れ星☆彡
「今日は帰る」


「だよな、そう言うと思ってた」



だったら……


何で待ってるの?



「一緒に帰んねぇ?」


「……」



どうしよう……



「そんな困った顔すんなよ」



だって……


優太は、帰り道に、あたしが杉浦くんに送られてるのがイヤだから、迎えに来てるんだもん。


それなのに、一緒に帰るなんてできないよ。


その時、あたしのポケットの中で携帯が震えた。



「ちょっとごめんね」



そう言ってから携帯を手に取る。


ディスプレイを見て思わず頬がゆるんだ。


そのまま通話ボタンを押して、耳に当てた。



「優太?」


“ん、絢華、今どこ?”


「学校だよ」


“今日さ、部活なくなったから迎えに行く”


「ほんと!?」



あまりの嬉しさに大きな声が出た。



“今駅にいるから、あと10分くらいで行く。さみぃから10分経ってから外に出ろよ?”


「うん!待ってる。気を付けてきてね」


“ん”



そのまま携帯を切ったけれど……


どうしよう……


メチャクチャ嬉しいよっ。


閉じた携帯を右手で握り締めながら、カバンを手にする。



「彼氏?」


「えっ!」



あ、杉浦くんの存在を忘れてた。



「うん、これから来るみたいだから一緒には……」


「じゃあ正門までならいい?」



「一緒には帰れない」と言おうとしたあたしの言葉に、杉浦くんの声が重なった。
< 55 / 404 >

この作品をシェア

pagetop