流れ星☆彡
「それなら」



いいかな?


教室を出て歩きながら……



「俺、須藤の彼氏のこと、覚えてる」


「え?」


「俺らが一年の時の卒業式の日に、クラスの女子がすっげぇ騒いでた」



優太は、学年問わず人気があったからな。


卒業式の日、数えきれないほどの告白をされたって言っていた。


あたしもその中の一人だったんだけど……



「まさか、須藤の彼氏だったとはな。いつから付き合ってんの?」


「卒業式の日からだよ」


「マジ?」


「うん、あたしも騒いでた中の一人かも」


「そうだったんだ」


「うん」



いつのまにか着いていた下駄箱で、ブーツに替える。


外を眺めると……



「あれ?雪じゃない?」


「ほんとだ」


「すごーい!ホワイトクリスマスだ!」



優太には“10分経ってから外に出ろよ”って言われたけれど、あまりに嬉しくて飛び出してしまった。


こういうところが、子供っぽいって言われるんだろうな。


雪が降っているのを下から見上げると、なんだか、雪に吸い込まれそうな、そんな不思議な感覚に陥る。


綺麗だなぁ……


いつの間にか一人の世界に入っていた。
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