流れ星☆彡
「絢華!」



呼ばれた声に振り返ると、正門前で、優太が自転車に跨がったままこっちを見ていて……



「優太!」



そう言いながら、優太の傍まで走っていった。



「10分経ってから外出ろって言っただろ?まだ経ってねぇよ」


「だって、雪を見たら、外に出たくなっちゃったんだもん」


「おまえは小学生か?」


「……言われると思った」



頬をぷぅーと膨らませながら言うと



「あはは、自分のこと、ちゃんとわかってんじゃん」



と、笑われてしまった。


ふと横に気配を感じたかと思ったら、



「須藤、またな」



杉浦くんが、手をあげながらそう言って正門を出ていった。



「アイツと一緒だったのか?」


「うん。教室に戻ったら“待ってた。一緒に帰ろう”って言われたの。だから、優太から電話が来て良かったよ」


「ったく、油断もスキもねぇな。……で?絢華は何でこんな時間まで残ってたんだ?」


「呼び出されたの」


「女、じゃねぇよな?」



優太は眉間に皺を寄せながら、聞いてくる。



「うん」


「はぁ……俺、心配だよ。早く桜ヶ丘来いよ?」


「うん」



『早く来い』だなんて、凄く嬉しいよ。
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