流れ星☆彡
「もしあの時、桜ヶ丘を諦めていたら、もう受けることすら無理だったんだろうな。菜摘に感謝しなきゃ」


「菜摘ちゃん?」


「うん。……あたしが“ランク下げる”って泣き付いたら、“もう少し頑張ろう?”って……」



あの時、菜摘にそう言われなかったら、きっと……、今はない。



「そっか」






夕方、優太と一緒に家に帰った。


おばあちゃんがクリスマスらしい夕食を準備してくれていて、三人で美味しく食べた。


ケーキもおばあちゃんの手作りで、ほんとに美味しかった。



「優太くん、私まで一緒にありがとうね。こんな年寄りが一緒じゃ、邪魔なだけだろうに」


「いえ、そんなことないです。俺こそお邪魔だったんじゃないかと……」



優太はいつもおばあちゃんも大切にしてくれる。



『今の絢華があるのは、ばあちゃんのおかげだろ?』


そう言って。


この言葉を初めて聞いた時、涙がぽろぽろと溢れてきた。


おばあちゃんのことまで考えてくれているなんて、きっと優太はあたしのことも大切に想ってくれているからだって思ったから。
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