流れ星☆彡
正門前で自転車から降りた。



「絢華」


「ん?」


「ちゃんと断れよ」


「えっ、何の話?」



突然言われた言葉の意味がわからず、首をかしげる。



「今日は卒業式だぞ?」


「わかってるよ」


「だから、……コクられても、ちゃんと断れよ」


「当たり前じゃん!ていうか、コクられるかわかんないじゃん。あたしと優太は違うんだからさ」



優太は“はぁー”と大きく息を吐いた後、



「おまえ最近、すっげぇ綺麗になってきたから、心配なんだよ、俺は」



なんて言うから……


凄くどきどきしてきた。


やばいっ……


顔も熱い。



たぶん真っ赤になっているだろうあたしの頬が、優太の大きな手で包まれた。


優太は自転車に跨がったままだから、目線の高さがいつもより近い。


心臓がどきどき……と暴れだす。



「朝からラブラブですねー」



後ろから聞こえた声に、慌てて優太から離れる。



「菜摘ちゃん、邪魔すんなよ」


「ちょっ、優太!」



声をかけてきたのは、井口くんと一緒に登校してきた菜摘。



「優太先輩は、ただでさえ目立つのに、高校の制服着てこんなとこに立ってたら、注目の的ですよー」
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