流れ星☆彡
「優太、ありがとう」


「何もなくてよかったよ」



優太は溜め息混じりにそう言って、ぎゅっと抱き締めてきた。



「絢華、一緒に帰ろう?」


「うん」



部屋にカバンを置きっぱなしだったから、優太についてきてもらって取りに行った。


ドアを開けると、あたしのカバンがあるすぐ横に、松永くんの姿を見つけて、一歩後退りしてしまった。



「絢華?」


「何でもない」



そう言って、足を前に進めると……


優太はあたしの手をつかんだ。



「俺が取りにいこうか?」



そう言ってくれたけれど……


いきなり優太が入っていったら、おかしすぎる。



「大丈夫」



サッと行って、サッと帰ってくればいい。


でも、優太には、あたしの不安がわかっていたのか、つかんだ手を離してくれなくて……


ドアを開けっ放しで優太と話していたから、そのうち、中にいる子達もあたし達に気付いて……



「絢華ちゃんの彼氏!?」



一人が騒ぎだすと、みんながワイワイ盛り上がり始める。



「ごめん、あたしもう帰るね」



そう言って、足を進めてカバンを手にした。
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